どうも、むらせたいる(@MuraseTairu)です。
今回は話題を呼んでいる米作りゲーム「天穂のサクナヒメ」を50時間ほどプレイしクリアしたので
世間の評価も交えながら感想を語りレビューしていきます。
発売前に目をつけていたゲームではありましたが、
まさかここまで売れるゲームになるとは思っていませんでした
当時はパッケージ版は品薄状態が続くほど売上げて、令和の米騒動と話題になっていました。
そんな話題のサクナヒメですが、なにがそんなに人気が出ているのか気になっている人も多いんじゃないでしょうか?
米を作るのが人気ということは知っている人も多いと思いますが、それだけでは語りきれないほど魅力が詰まっていたので、
今回はやりこみ要素もしっかりやり尽くしクリアした私が、サクナヒメの魅力や注意点を語っていきます。
天穂のサクナヒメとは
天穂のサクナヒメはえーでるわいすというインディゲーム会社が発売したお米づくりと横スクロールアクションが合体したゲームです。
インディゲームからこんなに話題になるのは驚いたと同時に嬉しくなりましたね、
更に驚くことにえーでるわいすは開発が主要メンバー3名という少なさで5年かけて、このサクナヒメを発売したそうです。
3人でこのクオリティのゲームを作ったという事実だけで熱意と狂気を感じました。
そんなインディスタジオは、発売の経緯もすごく、2015年の冬コミでpc版の体験版を配布後マーベラスから声をかけられps4版の発売が決定。
その後のコミケで任天堂から声をかけられスイッチ版の発売が決定するという神様がみていたのかのような運命ですよね、
もちろん目にとまるほどゲームの完成度もすごかったのでしょう。
あらすじ
武神と豊穣神を両親に持つサクナは育ってきた環境ゆえ怠惰な性格で家の財産を食いつぶして、ぐうたらな生活を送っていました。
ところがある日、神界に迷い込んだ人間たちを都に侵入させてしまった上に、主神への献上物である米の備蓄を全て台無しにしてしまうという失態を犯します。
罰として鬼が支配するヒノエ島の調査を主神に命じられ、サクナは人間たちと共に泣く泣く島へ渡ります。
天穂のサクナヒメの評価された良い点をレビュー
サクナヒメについては軽く理解したところで、次にこのゲームがなぜそこまで人気になったのか、私がなぜここまでハマったのかの魅力を語っていきます。
おすすめポイント
狂気を感じるほど作り込まれた米作り
このゲーム最大の魅力はなんといっても本格的な米作りを体験できる唯一の地位を獲得したゲームというところにあります。
このゲームでは育成シミュレーションゲームでよくある種をまく、水をあげる、完成というゲーム用に省略された育成をするのではなく
リアルのお米づくりで実際に行うことを、ゲームでも忠実におこなっていきます。
ココがポイント
- 田起こし⇒田植え⇒水の管理⇒肥料作りと肥料撒き⇒中干し⇒収穫⇒稲架干し⇒脱穀⇒籾摺り⇒種籾選別
と大まかに分けるとこのような手順でお米を1から育てていきます。
これだけでも結構あるなあ、とおもうかもしれませんが
このゲームの魅力でもあり恐ろしい要素はここからです。
例えば水の管理は米作りの田植えから収穫までほとんどの工程でやっていくのですが、
水が多すぎると温度が下がり、逆に水がすくなくても温度が上がってしまい米が病気になります。
米の成長に合わせて水の量を調整するのも大変で、それに加え雨が降るなど現実世界でも起こりうるような現象が発生するので、
実際に現実の米作りで水に気を配るような管理をする必要があります。
その他にも、畑の肥料を作るための素材でうんちが必要なのですが、前日に食べた晩飯によって肥料の質もかわったり、適当にただ素材を投入するのではなく、
どうお米に影響するのか考えながら肥料を作らなければならず、肥料投入後の益虫・害虫、雑草の量も管理します。
これは、ほんの一部の要素に過ぎず、このゲームでおこなうすべての作業が、お米の評価に関係してきますね。
頭おかしい(褒めてる)
お米の評価は米の量・味・硬さ・粘り・美しさ・香りの6項目にわかれており、この6つの評価がサクナヒメのステータスアップに直結しています。
サクナヒメのキャッチコピーは【こめは力だ!】と、はたから見るとメチャクチャなパワーワードですが、ゲームをプレイするとその理由が理解できますよ。
このゲームレベル上げの概念がなく、お米を収穫したときの6つの評価ステータスを上げていきます。
しかも、この評価全てを上げるための正解はなく、美しさを上げるために量を犠牲にしたりなど自分で試行錯誤していく自由度も幅広いです。
本当このゲームをやっているとお米にどんどん詳しくなっていきますね
お米の状態を常に見ることができるのですが、これでもかと専門用語で遠慮なく書かれているので、
自分で一つ一つ原因を調べながら対策していくのがかなり新鮮で、もうこれゲームと言うより米作りしてるやん、と心でツッコミを入れてました。
気がつけばGoogleの検索履歴もこんな感じになっていました。
まあゲーム内でもヒントは多少もらえるので、ここまでする必要もないと思います。
発売当時は攻略もまだでまわってなくて
農林水産省公式サイトが攻略サイトの代わりとネタになってました
注意点
注意点としては、米作りは1年で収穫までおこなうのですが、このゲーム一年間が1季節3日間という短い期間で過ぎ、
1年の12日が経過して米を収穫をするとまた1から米作りをするの繰り返しなので、米作りの作業がつまらないと感じてしまう人もいるかも知れません。
良くも悪くも人を選ぶゲームです
お米には総合評価があるのですが、私のようにその総合評価を上げていく試行錯誤に面白さを感じられる人には辞め時がわからなくなるぐらいハマりますし。
お米の評価はそのまま自分のステータスになったり、スキルを覚えたりするので、
これから解説するアクション要素での成長が楽しめる人は特に気にする必要はないと思います。
もう一つネットの評判で多かった反応が、田起こしや田植えの操作性が多少癖があり、思ったようにサクナが動いてくれないと言う意見が少し多かったです。
サクナヒメの開発者によると、この操作性の独特さは意図的に取り入れたと語っていました。
個人的感想としては不便を楽しむゲームって結構好きで、現実の米作りも最初は思ったように苗を植えたりできないと思うんですよね、
このゲームでも最初は癖のある操作性で苗を植えるのにも苦労しますが、何年も経過するうちにその操作性にも慣れてきて成長を実感するっていう体験がリアリティがあって、
このゲームでは他のゲームでは味わえないような部分を刺激されました。
しかも、このゲームでは米作りの地道な作業も続けることで農作スキルが身についていき、
たとえば田植えでは最初は一つ一つしかうえられませんが、続けていくことで農具が増えたり同時に2つの苗を植えたり、性能的にわかりやすい変化もありました。
スキル取るたびにテンション上がります
この感性は人にもよるので、まどろっこしいことはやりたくないという人は、この作業をショートカットすることができますが、米の評価は下がってしまうので注意してください。
爽快で戦略性のある横スクロールアクション
米作りにフォーカスされがちなサクナヒメですが、アクションゲームとしてもめちゃくちゃはまったゲームで
米作りだけでは私もここまで熱中しなかったと思います。
このゲームでは弱攻撃・強攻撃・ゲージを消費して放つ武技、羽衣を使った移動や羽衣技を駆使してフィールドで敵を倒しながら探索していきます。
注目してほしいのが、羽衣で移動しながら攻撃をしていくアクションが他のゲームでは体験できない爽快感で動かしているだけで気持ちいいです。
羽衣での移動に加え、攻撃・武技・羽衣技をつなげることで敵をハメるように攻撃をつなげることも可能で、
上手い人はオリジナルのコンボを生み出すのも面白いと思います。
もう一つ、爽快感を生みだしている要素が衝突というシステム。
敵を技でふっとばしたり、羽衣技で投げたりすると、他の敵にぶつかって連鎖的に大ダメージを与えることができます。
敵が多くてもぶつけるだけで全員に連鎖して簡単に倒せたりするので、慣れると無双ゲームのようにばしばし敵を倒していけます。
探索アクションゲームとしても本格的
先程はアクションだけの良さを紹介しましたが、そもそもサクナは何のために敵を倒して探索しているのかというと、
ヒノエ島に潜む鬼を探すという目的もありますが、サクナたちは自給自足で生活をしているので、お米以外の食料を探す必要があります。
フィールドでは敵を倒して手に入る肉などの食料の他に植物や鉱物の採集場所や宝が配置されており、
ストーリーはステージごとに宝箱を探すや敵を倒すなどの目標が設定されているので、その目標を達成していくことでストーリーが進行していきます。
なので、次々に新しいフィールドを探索していくゲームではなく、米作りをしながら同じステージで採集や探索をしていくのが基本なので、同じ作業が苦手な人は注意してください。
作業感のあるゲームは苦手なのですが
宝箱には一筋縄では行けないところもあったり
武器や防具を採集する素材で作成する楽しさもあるので、サクナヒメのフィールド探索はやっていて全然飽きませんでした
育成パートと戦闘パートのバランス
先程探索は単調な作業が苦手な私でも続けられたと語りましたが、
このサクナヒメのすごいところは3Dの稲作シミュレーションと2Dアクションゲームという真逆のジャンルを融合させているにも関わらず両者とも全く飽きずに、
それどころかプレイが止まらなくような中毒性になっており、絶妙な難易度、バランスで成り立っています。
田植え作業後の1日の基本ルーティーンは朝に肥料や水量の管理をしたあと、フィールド探索で素材集めや敵を倒し、夜に残った作業をするというようなプレイになります。
なので、稲作と2Dバトルを交互に遊ぶことになるのでプレイがパターン化されにくいです。
そのシステムに加えこのサクナヒメ、自然回復でしか回復することができず、満腹度という数値で、
一日の自然回復できるHP量もきまっているので、丸一日探索に行くということはできないようになっています。
その他でも気遣いが細かいなあと思ったポイントが、稲作は時間がすごく重要で1日予定がズレるだけでもすべてが狂っていく繊細なシステムです。
しかし、フィールド探査は途中で切り上げることが可能で、それまでに入手した素材だけを持ち帰ることができるので、
ほしい素材だけとって帰れるだけでなく、そろそろ稲作したいなというときにすぐに帰還する事ができます。
万が一探索でやられてしまってもリトライになるというわけでなく
時間が探索前に戻る感じなのでペナルティもないですし、
稲作の時間を無駄にすることもないのは本当良いシステムでした
2Dアクションの探索に行くことで、稲作がよりやりやすくなり稲作をすることでサクナも成長し探索がやりやすくなるという
違うジャンルが共存するだけでなく互いに引き立てあっているのがすごい作りだなとおもいましたし、
「満腹度」のシステムによって稲作と2Dアクションの切り替えを強制してくれるということは、
稲作とダンジョン探索を交互に切り替える生活リズムを生み出し、飽きづらい作りになっているので気がつけば何時間もプレイしているという状態に陥ります。
プレイした人はわかってくれると思いますが、ほんとこのゲーム辞め時が見つかりません!
洗礼された世界観・ストーリー・キャラ・音楽
ここまでゲームシステムについて熱く語りましたが、このサクナヒメ
しっかりとキャラや世界観、音楽までもを合わせて素晴らしいゲームだと個人的に思います。
主人公サクナはあらすじで紹介したように
裕福な家でぐうたらしていたお嬢様である日を堺に人間たちと自給自足をしながら鬼退治をしろと命令された、無能神様です。
ですがこのサクナがめちゃくちゃ可愛くて、喜怒哀楽も極端なので最初の会話をしているシーンだけで、引き込まれてしまいました。
声を当てている声優、大空直美さんも一番サクナにあっている声で演じており
伝わる人にだけいうとガヴリールドロップアウトのサターニャやウマ娘のタマモクロスなどの声でもありますね。
そして生活をともにするサブキャラクターたち、序盤のストーリーだけをみたときは正直米を泥棒したうえ、生活をともにしてもなにもしないので、
なんやこいつらという印象でしたがクリアするときにはすっかり「大切な仲間」になっていました。
私が特に良いと思ったのが毎日の夕飯のシーンで、一人一人夕飯を食べるシーンが細かく
会話のパターンや、はしの進め方が生活感を感じられて好きでした。
食事の内容によって「このたべもの少し嫌いなんだよね」とかいうので、かなり細かくパターンがあると思いますね。
日々の会話やイベントがしっかりと作り込まれていたのでサクナやサブキャラもプレイが進むたびに愛着が湧いていきますし、
ストーリーも演出や話の進み方が綺麗にまとまっているので、どんどんプレイしたい気にさせてくれます。
そして最後にこのゲームの世界観・音楽についてですが、
世界観は稲作してるなーと常に感じさせてくれうような和風テイストでまとまっており、
季節によって草木のいろや、空の景色がかわるなどかなり凝った変化を楽しむことができます。
海外のレビューサイトではスタジオジブリのようだなど、評価されてました。
音楽も和風な雰囲気で世界観をさらに強調するような物が多く、聞いていてここちい物が多かったです。
音楽だけでなく効果音も、田舎できくような虫のさえずるような音だったり、
田んぼの推移によって水を歩く音が違ったりとどこまでもすきのないゲームだと思いました。
天穂のサクナヒメのレビュー評価まとめ
このゲームの魅力をまとめると、本格的な米作りと完成度の高い爽快2Dアクションを1つのゲームで楽しめるということ、
この2つの要素がバランスよく組み合わさっていることで、辞め時がわからなくなる中毒性をうみだしており、こんなゲーム他では絶対味わえないだろうなと思いました。
あとこれはゲームには関係ありませんが、お米づくりの大変さを体験したことで、現実でもお米に関心を持つようになりました。
昔の私ではニュースで田んぼに無断で水を入れられて困っている農家さんが特集されていたり、SEKIROでお米は大事と存じますといわれても、軽く流す程度でしたが、
今では無断で人様の田んぼの推移上げるとか生きては返さんぞ、と憤怒しますし、SEKIROでも言葉の意味を噛み締めますね。
お米作るの大変さがゲームだとしても多少は体験できたので、いつも食べられているお米のありがたさを感じ、今ではプレイ前の数倍は白米が美味しくなった気がします。
続編やアップデートなどでまだまだプレイしたい作品です。
どうも、むらせたいる(@MuraseTairu)でした。
動画でもレビューしてます。